見出し画像

カメラマン・フォトグラファーの仕事について働き方・稼ぎ方をまとめてみた。

こんにちは、横田裕市(@yokoichi777)です。

「フォトグラファーの仕事・働き方にはどんなものがあるのか」という質問をたまに受けるので、実際にフォトグラファーがどういった仕事・働き方をしているのかを私自身の経験からご紹介します。

この記事で初めましての方向けに簡単に自己紹介しますと
私は2009年(24歳時点)からプロとして活動し、Appleの広告写真に起用されたり世界的なフォトコンで賞を頂いたりと精力的に活動し続けている現役写真家です。主なフィールドは風景写真、観光・ツーリスト関係です。

更新履歴
2021.11.17 更新
15,16番を追加
2020.1.29 更新
簡単な自己紹介追記。一部修正。13番を追加。
「依頼の取り方」を掘り下げました。総字数8000字超え。
2019.10.15更新
7番に加筆。「究極の理想とは」を追加。
2019.7.21更新
2000字ほど加筆し、これからフォトグラファーとして活躍したい人が参考にしやすいような内容にしました。

本記事の内容は、私の経験や見聞きしたものがベースになっていますので、内容に偏りや漏れもある部分もあることな何卒ご了承ください。

画像1

1.写真納品

「依頼を受けて、写真を撮り、納品する」

写真家業の基本中の基本
フォトグラファーはクライアントから撮影の依頼を受けて
指定された撮影を行う→写真を納品する

この対価として報酬を得ているのが大半を占めていると思います。
あくまでフリーランス・及び企業所属フォトグラファーの基本的な働き方。

クライアントは、様々な企業(出版社、メーカー、アパレル、諸々)、自治体、個人などがあります。

フォトグラファーによって属する業界が異なるので
その界隈ごとのクライアントで撮影する内容が変わります。

そのため自分が撮りたい写真があるならば
その業界・界隈で仕事をするのが一番です。

撮影内容の種類

物販
→物撮り(服、宝石、時計、靴、などあらゆるプロダクト全般)

飲食業
→フード、テーブルフォト

ファッション・アパレル業界
→ファッションモデル、ポートレートスナップ、アイテム撮影

イベント会社
→イベントスナップ、ビジュアル撮影

番組制作会社
→番組現場のスチール撮影

ブライダル会社
→婚礼撮影、前撮り、後撮り

出版社、観光事業系、地方自治体
→風景、スナップ、ポートレート、取材撮影

広告代理店
→コマーシャルフォト

一般個人の依頼
→家族行事の記念撮影、ポートレート撮影等

著名人、芸能、俳優、アイドル
→人物ポートレート

不動産
→アパート、一軒家、旅館、ホテル、施設などの竣工写真、建築写真

週刊誌・ゴシップ誌
→スクープ写真の買い取り

などなど挙げればきりがないのですが、概ねこのようなものかと。

上記を下記いずれかで請け負う方がほとんど
1.単発依頼で請け負う
2.業務委託で定期的に請け負う
3.会社に所属し社員として請け負う(固定月給)

もちろん、一個人(toC)よりも法人企業(toB)を相手に撮影をさせて頂いた方が一般的には撮影単価が高いです。

特に広告代理店依頼のコマーシャル撮影は予算の規模が桁違いなので、
第一線で活躍するコマーシャルフォトグラファーともなれば1案件で数十〜数百万は稼いでいるのではないでしょうか。

一般人に近いところだと、
ブライダルフォトグラファーも売れてる方は月に数百万はかたいです。

業界によって撮影報酬の相場感が異なりますので、自分が撮影したいジャンルと報酬体系が安定していれば、それにこしたことはありません。
そういったところも事前に調べることをおすすめします。

フォトグラファーの生計としては
「依頼を受けて、写真を撮り、納品する」これが基本
になります。

2.ストックフォト

自分の撮影した写真を世にあるストックフォトサービスにアップロードし、
そこから不特定多数の第三者に購入していただき、ダウンロード数、価格に応じてコミッションを得る方法です。

通常の写真家業とはまたベクトルの異なる継続的な努力が必要になります。
人や建造物などは署名(モデルリリースやプロパティリリース)が必要になるなど手間がかかる場合もあります。
売上が見込めるポートレートほどモデルリリースを取得する手間がありそれがハードルになっていたりします。

世の大半の人は、ストックフォトから得る金額はお小遣い稼ぎ程度かと思いますが
ストックフォト専業のフォトグラファーは年収一千万以上を稼でいる方もいます。

今だとSnapmartでスマホで撮った写真も簡単に販売できます。

有名なサービスは、
Adobe Stock
Getty images
iStock
Amana images
for your images
PIXTA
など。

3.ライセンス販売

ストックフォトに近いものがありますが、雑誌や広告、実店舗などへ自分の写真の権利を限定的に貸し出す代わりにライセンス料を頂きます。いわゆる広告利用(掲載)料、展示料など。
既存の写真という資産を貸し出すだけなので、とても楽です。

例えば私の例を挙げると、フィンランドで撮影したオーロラや雪景色の写真は国内外の出版社からオファーがあり、写真データを提供してライセンス料を頂いています。

4.講師業

トークショーでのスピーカー、写真教室での講師をするといった人前で話す・教えるということをする対価として報酬を得ます。

スライドや資料を準備したりすることもありますが、
基本的には自分の中に蓄積してきたノウハウや経験、撮影した写真を用いて行うことが多いので教えること、話すことが苦じゃない方には良い仕事かと思います。

自分の写真に秀でたものがあり実力をつけていけば、
例えば参加費1人2万円で100人の集客。
1日にして200万の売上を出すということも可能です。

上記は以前開催されたXICOセミナーの例です。

5.写真教室主宰

写真教室を定期的に開き、受講生から受講料を頂く。
規模は様々ですが、個人で写真教室を開講して運営されてる人もいますね。

この場合は単発スポットよりかは月に数回の開催を生徒さん向けに開催するようなスタイルをイメージでいます。

特に往年のプロの方などは写真教室を開き
生徒さん(おじいちゃんおばあちゃん等年配の方々が多い)から月謝を頂いて、これを月々の安定収入にしているケースが多いように思います。もはやひとつのコミュニティを形成しているレベルもあるので、そこまで来ると強いですね。

もちろん上記のようなスタイルでなくとも今では定期・単発問わずSNSで写真教室の告知・集客を行い、開催、それで稼いでいる人もいます。

受講人数をしぼって個人や少数に対して行う方もいらっしゃいます。

これの現代主流の形がいわゆるオンラインサロンになります。

6.撮影会主催

同日同会場でまとめて写真撮影をする撮影会。

これは例えば家族写真でいうと、同日公園に時間別にファミリーに来ていただき
一日にまとめて数組撮影して後日納品するというスタイル
これも一日全枠埋まるとなかなかの利益になりますね。

7.物販

写真集や作品プリント関連を販売すること。
世界を旅するフォトグラファーがバスキング(路上販売)でプリントを売ったりするのもそうですね。
写真家として世に認められば、作品プリント1枚を数十万円〜で取引される事もあります。

私も今年プロとして初の写真展を開催させて頂き、
1点数十万円から作品を購入頂きました。

ポストカードやプリントTシャツ、作品プリントなど原価をおさえて制作できるものは利益になるのではないでしょうか。

他に例として
通販サイトでミニ写真集や写真プリントシャツを販売しています。

8.クラウドソーシング・撮影プラットフォームサービス

クラウドワークス、ランサーズといったクラウドソーシングサービスや
自分が携わっているLovegraphを始めfotowaのような一般向け出張撮影サービスに登録したり
出張撮影サービス byGMO」のような法人向け撮影サービスに登録してそこから依頼を受けるという事もできます。

イレギュラーかもしれませんが
自分の場合はこの提供元のビジネスサイドとして業務の一端を担うということもしています。
もちろんそういう企業に属している方もいるかもですが少ないかなと。

9.企業やスタジオに所属(就職、業務委託、アルバイト等)

撮影の他にアシスタントをしたり、そういった環境で月給や時給で働く。
内容としては1の他にその補助役(アシスタント)をする等でしょうか。

10.プロのアシスタントをする

アシスタントとして修行を積んで独立、そして1に戻る。
初期のうちはアシスタントも働き方のひとつの選択肢かと。

師匠から独立したフォトグラファーのプロフィールに「○○に師事」って書いてありますが、良くも悪くも古い商習慣が根付いていると感じるところです。クライアントも、師匠のコネクションから広がっていくイメージが強いです。



以降の内容は、売れる度に加筆していくスタイルで不定期に更新していきます。

ここから先は

5,419字 / 1画像
この記事のみ ¥ 1,980
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

私の記事をここまで御覧頂きありがとうございます。 頂いたご支援は、今後の機材購入費・撮影遠征費に使わせていただきます。