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今からカメラマンを目指すなら?-SNS時代の生存戦略-

同世代の漫画家・吉本ユータヌキさんが、
自身の経験をもとに「今からの人へ向けた」素敵なnoteを公開されていました。

ユータヌキさんのことは、Twitter(現X)で作品を拝見していて、「SNSの向こう側で大活躍しているクリエイター」という印象でした。それが今では、パーソナル編集者として同じ組織の一員に。縁って不思議ですね。

特に印象に残っているのは、優しさあふれる、この漫画作品です。

そんなユータヌキさんのnoteに感化され、私も「もし、今、自分がゼロからカメラマンのキャリアを始めるなら、どう動くか?」を本気で考えてみました。


まずは、自己紹介

はじめましての方へ
福島県出身、東京都在住の横田裕市と申します。

1985年生まれ、今年で40歳。
写真家として、主に風景写真を撮っています。(フリーランス16年目)
大好きな妻と仲良く、穏やかに暮らしています。

SNSを駆使する第1世代フリーランス

私は、大学生〜新卒時代にSNSが徐々に浸透してきた世代です。
「SNSを駆使して仕事を得て、活動の幅を広げてきた。」と、自信を持って言えます。

そのあたりの話は、7年前に書いたnoteに詳しくまとめています。今でも多くの方に読んでいただいているので、よろしければご覧ください。

また、メインの写真家業の傍ら、出張撮影ラブグラフ の創業初期から10年間、ビジネスサイドにも携わってきました。創業者に次ぐ古参メンバーとして、現場に近いポジションで500名以上のカメラマンを見てきた経験もあります。

働くのは好きじゃないが、人の役に立つのは好き

そして、とても大事なことですが
私は「働くこと」は、好きじゃないです。


でも、自分が得意な写真を通じて、誰かの役に立てる。その対価として報酬をいただける。これは、本当に幸せなことだと思っています。

「好きなことで、生きていく」

そんな理想を、運良く叶えられた人間です。


だからこそ、働き詰めるつもりもありません。
大好きな妻と仲良く、穏やかに暮らせれば、それで十分。


変化に適応する力

『生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。』

「種の起源」で有名な、ダーウィンの言葉

ダーウィンの言葉にもあるように、「変化に適応する力」は、私の強みかもしれません。でも、根っこは器用貧乏。

自分の弱さを自覚しつつ、それを補いながら、日々を懸命に生きている…というのが正直なところです。


そんな器用貧乏なフリーランス生存戦略も16年目に突入!40歳の節目に、改めて自分の進むべき道を考えています

・note作家として:発信を強化し、メンバーシップをリブランディングする。
写真の楽しさを伝えたい: 写真を好きな人、仕事にしたい人をサポートし、知識や経験を共有したい(マイフォトコーチ として)
発信したい人を応援したい:パーソナル編集者として、誰かの「伝えたい」を形にするお手伝いがしたい。

もちろん、写真は死ぬまで撮り続けます。
写真は、私の生き様そのものです。



最初にお伝えしないといけないこと

私は感覚人間なので、伝わりにくい部分もあるかもしれません。ノウハウなどは経験からしか語れません。
また、私自身がSNSサバイバーなので、SNSとWebを活用することを前提とした動きが中心になります。その点ご了承ください。

ですが、才能ひとつひっさげて、切磋琢磨・試行錯誤して生きてきた写真家・表現者、フリーランスとして、これまで経験し、培ってきたこと、その中での気付きや知見をおすそ分けする気持ちで書きます。

自分に響いたものだけ、持ち帰ってもらえたら幸いです。

前提条件が変わるとハードルが上がるけれど、、

私が独立した20代前半・独身の頃と、今(30代後半・既婚)とでは、状況が大きく異なります。フットワークの軽さも、経験値も、全然違います。

でも、そんな前提条件をいったん忘れて、「今、ゼロから、ある程度のポジションを本気で勝ち取りに行くならどうするか?」を考えてみました。



私なら、こう動く

1.【トライ&エラー】直感を信じて、とにかく動く!

いきなり精神論で恐縮ですが(笑)、「やってみたい!」という直感に従って、何でも挑戦してみることが大切だと思います。

私の好きな言葉「やらない後悔より、やって後悔」
(最近は「やらない後悔より、やって大成功」に。※伝わる人には伝わるネタ)

合わないと思ったら、すぐにやめればいい。
トライ&エラーあるのみです。

若い頃は特に、「失敗しても許される」という特権があります。でも、年齢を重ねても、それは同じ。誰に迷惑をかけるわけでもないなら、どんどん挑戦すべきです。


「やりたいこと」が見つかれば、自然と情報収集も始めるはず。今はWebで何でも調べられる、本当に恵まれた時代です。

2.【自己分析】現在地と目的地を知る

私は自己分析にマインドマップを使用しています。

自分の性格、長所・短所、得意・不得意、興味、仕事、撮影ジャンル、夢、目標…とにかく、思いつくままに書き出してみる。

私の場合はマインドマップですが、自分に合った方法で構いません。とにかく、自分を深く理解することが大切です。

3.【SNS活用】SNSを活用する、ショート動画がんばる

まず写真は、ノンバーバル(非言語)で伝わる手段です。
写真一つで世界中に 伝わるのは武器です。SNSで発信・拡散のチャンスを逃さない手はありません。日本だけでなく、海外からも仕事が取れるのはこれが大きいです。

  • アカウント作成: Twitter(現X)、Instagram、TikTokなど、主要なSNSでアカウントを作りましょう。

  • ID統一: 全てのSNSで同じIDを使うのがおすすめ。短く、覚えやすい文字列が理想です。

  • ショート動画: 今、SNSでバズるには、ショート動画が不可欠。トレンドに敏感になり、積極的に挑戦しましょう。

  • 毎日投稿: 写真とショート動画を、毎日投稿するくらいの意気込みで!(投稿頻度はとても重要)

    撮り溜まった写真データ資産ができたら、
    365日・毎日写真+ショート動画投稿くらいはやりましょう。

また、SNSでは、それぞれハックするテクニックが存在するので
そういったものも学び、実践を繰り返します。何事も根気が要ります。

4.【SNSブランディング】プロフィールで「自分」を表現する

SNSで知らない人に「あなたは誰で、どんな人?」ということを、なるはやで端的に理解してもらうというのはとても重要です。

アイコンは、同じものに全て統一します。今どき、顔がハッキリしたものである必要はないですが、キャラクターがつたわる写真やイラストなどでもOK.

プロフィールテキストは、自分がフォトグラファーであること、撮るジャンル、好きなモノなど。実績がついてくれば実績など追記していきます。

短文でまとめる能力と習慣はTwitter(現X)で培いました。

5.【信頼できる窓口作成】ホームページを作る

私個人の経験ですが、良質な仕事の依頼は、ほぼ間違いなくホームページの問い合わせフォームから来ます。

良質なクライアントほど、こちらの情報をちゃんと調べて連絡してくるので、必然的にホームページからの問い合わせになります。

依頼にフィルタリングをかける意味でもホームページの存在は非常に重要です。若い世代ほど、そもそもホームページを作ろうという発想にならないので、あるだけで信用度も上がるでしょう。(この考えが古いかもしれませんが…)

今は、WixやSTUDIOなど、ノーコードで簡単にホームページを作成できるサービスがたくさんあります。ぜひ、活用しましょう。

6.【出張撮影サービス活用】撮影プラットフォームで経験を積む

駆け出しの頃は、とにかく場数を踏むことが大切です。
正直、今ほど初期状態で楽に経験を積めるフェーズはないと思うほどに、恵まれた環境です。出張撮影プラットフォームに登録し、登録カメラマンとして活動し、経験と実績を積み上げます。

toC向け、toB向けと、今ならたくさんサービスが存在します。
せっかくならその中でもトップ5%くらいの実力者を目指しましょう。

手数料はかかりますが、面倒な事務作業や営業活動を代行してくれると考えれば、決して高くありません。営業代行のようなモノです。初期段階では活用するにこしたことはありません。

7.【ローカルアクションのすすめ】アルバイトプラットフォームに登録し、活動する

風景や観光、地方創生系に特化したアクションですが
私がまた風景写真家の駆け出しとして、アクティブに生活費も稼ぎながら全国各地を巡るなら、「タイミー」や「おてつたび」を、使わない手はありません。

つい先日、素晴らしい事例のnoteが公開されていました。

各地を転々としながら、旅費を稼ぎ、空いた時間にその土地ならではの写真を撮りまくる。最高じゃないですか?

夫婦やカップルで「おてつたび」しながら旅する…なんていうのも、憧れますね。私が20代前半独身に戻れたら、おてつたびを利用したいです。

8.【アーリーアダプター】新しいサービスを積極的に試す

「先発優位」という言葉があるように、新しいサービスは、いち早く試すことで、大きなメリットを得られる可能性があります。

自分にとってプラスになりそうだと感じたら、迷わず飛び込んでみましょう。そのフットワークの軽さが、あなたの武器になります。

僕自身、noteを早い段階から始めたことで、多くの恩恵を受けてきました。

アーリーアダプターとは、新しい製品やサービスをいち早く取り入れる消費者層や個人のことを指します。

9.【SNS以外の道も模索する】SNSと関係ない界隈でカメラマンをするのもあり

ここまでSNSの話ばかりしてきましたが、もちろん、SNSを使わずに生計を立てているカメラマンもたくさんいます。

「自分には合わない」と感じたら、別の道を探すのも一つの選択肢です。ブツ撮りをメーカーから受託して生計を立ててるカメラマンもいますし。

10.【海外も視野に入れる】Behanceにポートフォリオを掲載する

海外で活躍したいなら、今ならAdobeのポートフォリオサービス「Behance」に作品をアップロードしましょう。

これは私の体験ですが、グローバルプラットフォームでちゃんと発信すれば、国際レベルでバズりますし、海外からも依頼がきます。

11.【発信の継続】SNSに毎日写真を投稿する

3番でも触れましたが、ある程度、写真が撮り溜まってきたら、SNSで毎日発信しましょう。

今は、予約投稿機能も充実しています。まとめて投稿を準備しておけば、それほど手間はかかりません。

どこに住んでいようと、自分のフィールドで写真を撮り続け、発信し続けた人が、最終的に生き残ります。

12.【Kindle出版】電子書籍で写真集を出版する

「出版なんて、ハードルが高い…」

そう思うかもしれませんが、今は、Amazon Kindleで、誰でも簡単に電子書籍を出版できる時代です。

正直、「Kindle出版」を餌にした情報商材やオンラインサロンのイメージが強いかもしれませんが、あなたの作品を世界中の人に見てもらうチャンスです。私自身も、現在、Kindleでの写真集出版を準備中です。

13.【まずは自腹でも動く】とりあえず参加する精神のすすめ

いきなり実績も実力も分からない相手に、仕事がすぐに舞い込んでくることはありません。そんな中で大切なのは、企業が展開している無料施策に積極的に参加することです。

私の場合は、カメラメーカーや旅行企業が提供する無料モニターツアーや交通費自費のイベントに参加してきました。最初は自腹を切っても、そこからクライアントワークへと繋げていくというステップを踏むことができます。

この積極的な姿勢から得られた成果として、使用カメラがCanonからSONYへと変わり、最初は自費で参加したモニターツアーが、今では年間数十万円の売上をもたらすクライアントとの関係に発展しました。


これまでの学び・気付き

・人間、誰しも不完全である

完璧な人間など存在せず、誰にでもその人だけのカタチがあります。

性格の善し悪し、行動の善し悪し、様々です。
この事実が腑に落ちてからは、他者を許せるようになりました。

・人間、やってみれば意外とできる(できないこともある)

これまでの道のりで、自分だけでは挑戦することのなかった多くの経験をする機会に恵まれました。

これらを通して、「できる自分」と「できない自分」の両面を知ることができました。そして何よりも重要なのは、まず挑戦して0から1へと踏み出すことだと学びました。


参考にしている人々

私は写真家でありながら、過去にベンチャー企業を創業した経験や、長年ベンチャー企業のビジネスサイドに携わってきたため、IT業界やWebのトレンドに敏感な方だと自負しています。

そんな私が長年ウォッチしている、考え方に共感する方をご紹介します。

深津さん

初めて深津さんを認識したのは、約15年前のことです。noteのCXOに就任された時、「これからnoteは良くなる」と確信しました。それほど深津さんのUX感覚を信頼しています。実際、その後noteはどんどん進化していきました。

けんすうさん

以前勤務していた企業のVC関係者でもあり、深津さんと共に日々の発信を楽しみにしている方です。最近ではYouTubeで「けんすうスピーチ」もスタートされました。

実はこの部分を書き始めて気づいたのですが、パッと思い浮かぶのが上記お二人だけでした。2025年の課題として、もっと参考にできる方々との出会いを増やしていきたいと思います。


時を戻せるなら戻したい、失敗談

プロとして活動していると「失敗は許されない」というプレッシャーを常に感じますが、人間である以上、失敗することもあります。

1.遅刻

数は多くないものの、いざ起こしてしまうと致命的。
二度と繰り返したくない失敗No.1です。

若かりし頃の最大の失敗は、結婚式の撮影に遅刻し、大切な瞬間を撮れなかったことです。本当に時間を巻き戻したい出来事でした。

また、遅刻で時間に間に合わず、スーツケースを海外の空港に置き忘れたこともあります(後日無事に回収できました)。

ちなみに、風景撮影の素晴らしさは、自然が相手なので遅刻しても自分を責めるだけで誰にも迷惑をかけないことですね。

2.データ消失

仕事ではありませんが、大切な作品データを失った経験があります。バックアップは、本当に、本当に大切です!

この経験をまとめたnoteは、
最も読まれている私の記事の一つとなっています。

3.写真に納得いただけず、返金

駆け出しの頃、ファミリーフォトの仕上がりにご納得いただけず、返金対応したことがあります。悔しかった…。

4.撮り漏らし

クライアントの指示にあった写真を、撮り忘れたことがあります。
現場スタッフも把握できておらず、その場確認でもスルーされてしまい後日発覚。

幸い取り返しのつかない事態には至らず再撮影で済みましたが、自分の管理能力の甘さを痛感しました。

16年のキャリアで数える程度のミスでも、自分への戒めには十分すぎるほどです。失敗を思い出すと苦い気持ちになりますが、これらの経験も含めて現在の自分が形作られています。

日々ミスを減らす努力をしながら、前を向いて進んでいます。


私の悪い癖

少しずつ改善してきているものの、
まだ完全には克服できていない悪癖があります。

・自分でなんでもやりすぎる

→ある程度できてしまう
→自分でやってしまう
→器用貧乏フリーランスの完成

長男気質というか、何でも責任を持って自分で対応したくなります。他人に任せるのが苦手とも言えるでしょう。

これからは、任せること、頼ることをもっと習得していきたいです。

・言葉が足りない、尊重が足りない

頭では「言葉にしなければ伝わらない」と理解していても、ついつい言葉や相手への尊重が足りず誤解を招いてしまうことがあります。

気づかないうちに自分の評価を下げているケースです。
妻との関係を通じて大分改善されてきたものの、まだまだ大きな課題を感じています。

本当によくここまでやってこられたと思うことが今でもあります。
これらの癖を矯正するチャンスにも、今年は注力していきます。

悪癖を矯正し、自分を磨くためのアクション

今年から動き出したパーソナル編集者としての活動。それを目的に活動をはじめたわけではありませんが、結果として自分を見つめ直す貴重な機会となっています。

代表のみずのさんをはじめ、同じくパーソナル編集者として活動する方々は素晴らしい方ばかりで、多くの学びを得ています。本当に感謝しています。

3月からは私自身もパーソナル編集者の利用者として、
担当者に伴走していただく予定です。とても楽しみにしています。

「はやく行きたいなら、ひとりで行け。遠くへ行きたいなら、みんなで行け」というアフリカのことわざがあります。パーソナル編集者はまさに、遠くへ行くための素晴らしい伴走サービスです。

私がゼロからカメラマンを始める時にこのサービスを利用できていたら、人生は変わっていただろうと思います。

文章や発信の伴走を希望する方は、
パーソナル編集者をぜひご検討ください。

写真を頑張りたい人は、
マイフォトコーチにて、私個人が個別に伴走しています。こちらもぜひ。


3月から、新メンバーシップをスタートします

長らく細々と続けてきたメンバーシップですが、昨今の流れを受けて内容を一新し、note作家としての活動も強化していきます。

メンバーシップでは以下のようなコンテンツを発信していく予定です

・note作家11年目の視点
・選ばれるnoteの知見やエッセンス
・フリーランス・写真家としてこれまでの経験・知見
・生きるのに困らない最低限のSNS運用と生存戦略
・先読みアーリーアダプターとして世の中を見る視点・考え
・写真家業に16年間携わった経験に基づく知見
・写真家ならではの写真×仕事体験記や旅エッセイ

皆様からの参加を心よりお待ちしてます。
まずは私をフォローしていただき、公開まで今しばらくお待ちください。


改めて今からカメラマンとしてある程度のポジションを目指すならと書き出してみましたが、年月が経過しても、やることはあまり変わってないです。つまり、本質的な部分にあまり変化はないのです。

その時代のトレンドキャッチと適応力、
アクションを起こす熱量が重要です。

まさにこれからの人や、今活動している人にでも
何かしらこの記事から学びがあれば幸いです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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横田 裕市 / 写真家
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