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質より瞬間。軽くて扱いやすい機材が良いなという話。

個人的に、風景写真家でも重いレンズを持ち運んで撮影している方々を尊敬しています。

私はフットワーク軽く写真が撮れることが大事なので、描写性能が良くても重量があるレンズというのは、なかなか持ち運びをする頻度が減っています。特に登山を始めてからその傾向が強く、高倍率ズームレンズを使っての撮影が多くなってきています。(メインレンズがSONY 24-105mmからTAMRON 28-200mmへ)

もちろん単焦点かつ描写性能が高いレンズで撮影するのも良いのです。ですが、昨今のカメラ機材は非常に進化していて、昔に比べればレンズの光学設計も非常に優秀で高倍率ズームレンズでも、及第点といえるくらいには高画質に撮影することができます。

元々「便利ズーム」という言葉がありますが、これは高倍率ズームの利便性と引き換えに画質が損なわれるというネガティブな印象を与えるネーミングでした。

ところが近年のレンズメーカーが出す高倍率ズームレンズは、高倍率ズームが可能かつ、画質もそこそこ優れているという馬鹿にできない性能のレンズになってきています。

描写性能が優れたレンズは、主にその優秀さと引き換えに重量が増してしまうという欠点があります。

私は日常的に使っている Google のスマートフォン Pixel が良い例なのですが、これからの写真というのはハードウェアではなくソフトウェアの進化がデジタル写真をより進化させていきます。やはりハードウェアには限界があります。そこでソフトウェアが活躍するわけです。GooglePixelで撮影した写真も Google の AI が自動的に処理を施してくれ、より美しいとされる写真に仕上げてくれます。


最近のカメラでは通常通り撮影をしていればピントを外してボケた写真を撮る方が難しいと感じるぐらいに、バッチリピントがあった写真を精度よく撮影することができます。昔ながらの写真家の写真集や写真展などを見ていると時代背景や当時の技術はあれど被写体にピントがばっりち合ってることが重要ではないんですね。重要なのはその瞬間、そこでシャッターを切っていて、その絵が写っているという事実が何よりも重要なことなんですね。

もちろんその瞬間を、高解像度でばっちりなピントで写っていればなお良いし、それが重要という考えも理解できます。
それよりも瞬発力良く便利な高倍率ズームレンズを使ってその瞬間を逃さず切り取るということに私は重きを置きたいと考えています 。

また、撮影した写真を後にAIの自動処理をかけより高解像度に見せるよう処理をしてくれる AI のソフトウェアがあります。これを使えば元々の解像度がそこまで高くない写真も一流の描写性能を持つレンズで撮影したかのような高解像度の写真に仕上げることができるわけです。

こういったソフトウェアの登場により、撮影する段階で高解像度に撮影する必要がなくなってきています。ですので、撮影時にわざわざ高解像度で撮影するために重たい機材を持って撮影をする必要が無くなっていくのでないかと私自身感じています。

以前私の Twitter に誰かがコメントをくれたのですが、GooglePixelで撮影した写真は加工されたデジタルアートであると。「現実の写真とは違う」というふうなニュアンスのコメントをいただいたんですけれど、それも一理あるなど。「写真は真実を写す」という言葉がありますが、それはジャーナリズムなどを除き、もはや古い価値観ではないかと。写真は撮った人間の感性を表現するアートだと私は考えます。

スマートフォンで撮ろうとミラーレス一眼で撮ろうと、それはセンサーが記録したデジタルデータに他なりません。そのデジタルデータが現代の写真の主な写真の姿だと思います。(フィルムで撮り続ける方もいますがここの話では趣旨が異なるので割愛)

といった小難しいことを話しましたが、自身が撮影する行為に対してハードルを上げず、気ままに楽しく写真が撮れればそれでいいのです。

私の場合は、今回ここで述べたような考えから今手元にある機材をより厳選する予定です。

私はフォトグラファーの中でも、所有機材の数は少ない方だと自覚しています。機材が好きなのではなく写真が好きなのです。

レンズのバリエーションが豊富にあってもその分迷いが生じたり、レンズがタンスの肥やしになっているというのがあまり好きではないので頻度よく使うミニマルなレンズのバリエーションで撮影に臨みます。

これはあくまで私個人の考えですので、誰しもに当てはまることではありません。これが私の写真を楽しく、長くハードルを下げて続けるための考えというだけです。

ご自身に合った写真の撮り方、レンズの選び方を考えて
楽しく写真を撮りましょう。

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