タイパの悪化が引き起こすゲーム離れがわりと深刻な件。
REALITY社 代表取締役社長であるDJ RIO氏(荒木英士氏)がコメントした
ゲーム業界に関する興味深いレポートに関する投稿
これについてnote CXO深津氏がSNSで述べたコメントが、ゲーム産業が直面する重要な課題を浮き彫りにしている。
より資料の内容を知りたい方は、以下の要約noteをご覧あれ。
可処分時間の奪い合いに、ゲームが負けている
深津氏のコメントに同意できる心当りが、私にもある。
かつては「ゲームにタイパの話を持ち込むのは無粋」とされていた。
しかし現在は、書籍や音楽、映画など多様な娯楽が溢れる中で、限られた時間を効率的に使おうとする傾向が強まっている。
結果、タイパが悪化するゲーム体験は敬遠されやすくなっている。
ゲームのタイパ問題
ザコ敵エンカウント、レベル上げが億劫
→時間の無駄(タイパの悪化)
私がタイパの悪化を感じ始めたのは、まさにRPGゲームをプレイしているうちにザコ敵とのエンカウントに嫌気がさし、途中でゲームを辞めてしまった体験からきている。
なぜこんな単純作業ともいえる反復行為に、
私の時間を割かなければいけないのか
10代からRPGが大好きだった自分が、こういった理由でゲームを途中放棄する日がくるなんて、本当に想像もしていなかった。
「可処分時間の奪い合い」を考えることなく、無我夢中に目の前のゲームに没頭できた子供時代。それがどれだけ恵まれた時間だったか、大人になりひしひしと感じている。
積みゲーや積ん読といった状態も、可処分時間をそこに自由に割けないために起きる現象だろう。
タイパを意識した結果
ゲーム実況のありがたみを知った
かつて私はゲーム実況がなぜ人気なのか、その理由を分かっていなかった。
そしてゲームに時間を割けなくなってきた時、理由に気づいた。
ゲーム実況が盛り上がる理由は、プレイヤーが自分でゲームをプレイする時間を割かずとも、ストーリーやゲーム体験を手軽に楽しめるからだろう。私自身もゲーム実況のありがたみを感じるようになった。
難易度設定イージーにするようになった
また、ゲームの進行を優先するために難易度を「イージー」に設定するようになった。以前は「イージー設定は初心者向け」と考えていたが、実際には「時間が取れないプレイヤー向け」という側面もあるのだと気づいた。
タイパを尊重しないゲームは敬遠されていく
本件に関連して気に留めていたエピソードがひとつ
1月23日に発売した新作ゲームタイトル「エンダーマグノリア」の難易度設定に関する話。
死にゲーはその高難易度こそ大きな「売り」だが、
それはタイパと対極にある、諸刃の剣。
前作エンダーリリーズ同様に死にゲーだったなら、
私は途中でゲームを放棄したかもしれない。
この意見を述べたメインプログラマーの意見が素晴らしく、SNS上でもすごい反響。この判断が結果的に『エンダーマグノリア』の満足度に大きく貢献したのことはいうまでもない。
どんなに素晴らしいゲームだろうと、
ユーザーの時間を奪っていることに
センシティブにならなければいけない
タイパを尊重するゲームは、
それすなわち、ユーザーの限られた時間を尊重しているゲームだ。
タイパを尊重するゲームの未来
今後、ますます多様化する娯楽コンテンツの中で、ゲーム産業が市場成長を維持するためには、タイパを重視したゲーム設計が鍵を握るだろう。
子供時代のように、時間を気にせずゲームに没頭できる環境は大人になった今ではとても貴重だ。
そのような体験を提供できるゲームの形を模索することが、業界全体の発展に繋がるのではないだろうか。