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タイパの悪化が引き起こすゲーム離れがわりと深刻な件。

REALITY社 代表取締役社長であるDJ RIO氏(荒木英士氏)がコメントした
ゲーム業界に関する興味深いレポートに関する投稿

これについてnote CXO深津氏がSNSで述べたコメントが、ゲーム産業が直面する重要な課題を浮き彫りにしている。

この10年映画・動画は、「2時間の縛り」「倍速再生」とか「ショート動画」とか、「時間あたりの体験強化と圧縮」で勝負をしてきたけど、ゲームは「単価あたりプレイ時間」が肥大化してきた感。5000円で200時間遊べる…みたいのは、「可処分時間の奪い合い」を発生させる。コスパは高まるが、タイパが悪化してる。そこが売上のアップサイドに影響を与えている気がする。

実際、「5000円で1000時間遊べる」みたいなAAAが覇権とったら、「他のゲーム売れない」になる。本当は「超濃密な1時間をご提供」の方向を目指すほうがみんなハッピーなんだが… そっち方向のゲーム設計に限界がある問題っぽいの。

https://x.com/fladdict/status/1882331878549753946

より資料の内容を知りたい方は、以下の要約noteをご覧あれ。

可処分時間の奪い合いに、ゲームが負けている

深津氏のコメントに同意できる心当りが、私にもある。

かつては「ゲームにタイパの話を持ち込むのは無粋」とされていた。
しかし現在は、書籍や音楽、映画など多様な娯楽が溢れる中で、限られた時間を効率的に使おうとする傾向が強まっている。
結果、タイパが悪化するゲーム体験は敬遠されやすくなっている。

※タイパ(タイムパフォーマンス):費やした時間に対して得られる効果や満足度を表す言葉。

ゲームのタイパ問題

ザコ敵エンカウント、レベル上げが億劫
→時間の無駄(タイパの悪化)

私がタイパの悪化を感じ始めたのは、まさにRPGゲームをプレイしているうちにザコ敵とのエンカウントに嫌気がさし、途中でゲームを辞めてしまった体験からきている。

なぜこんな単純作業ともいえる反復行為に、
私の時間を割かなければいけないのか

10代からRPGが大好きだった自分が、こういった理由でゲームを途中放棄する日がくるなんて、本当に想像もしていなかった。

「可処分時間の奪い合い」を考えることなく、無我夢中に目の前のゲームに没頭できた子供時代。それがどれだけ恵まれた時間だったか、大人になりひしひしと感じている。

積みゲーや積ん読といった状態も、可処分時間をそこに自由に割けないために起きる現象だろう。

タイパを意識した結果

ゲーム実況のありがたみを知った

かつて私はゲーム実況がなぜ人気なのか、その理由を分かっていなかった。
そしてゲームに時間を割けなくなってきた時、理由に気づいた。

ゲーム実況が盛り上がる理由は、プレイヤーが自分でゲームをプレイする時間を割かずとも、ストーリーやゲーム体験を手軽に楽しめるからだろう。私自身もゲーム実況のありがたみを感じるようになった。

難易度設定イージーにするようになった

また、ゲームの進行を優先するために難易度を「イージー」に設定するようになった。以前は「イージー設定は初心者向け」と考えていたが、実際には「時間が取れないプレイヤー向け」という側面もあるのだと気づいた。

タイパを尊重しないゲームは敬遠されていく

本件に関連して気に留めていたエピソードがひとつ
1月23日に発売した新作ゲームタイトル「エンダーマグノリア」の難易度設定に関する話。

ただ、『エンダーマグノリア』の難易度 はかなり議論を重ねました。個人的には、 より難しくしたほうがいいのではないかと思ったんですね。

前作を遊んだ方が本作をプレイしたときに、「物足りない」、「前 作より簡単だ」と感じることがあってはならないという考えがあったんですね。 ですが、メインプログラマーに「何でも死にゲーにするのはやめませんか」と言われまして、それが僕に刺さりました。彼が言うには「ユーザーとしては、死にゲーは年に1本でいい。それはフロム・ソフトウェアのゲームでいいんです」と言うんです。

https://www.famitsu.com/article/202501/30562

死にゲーはその高難易度こそ大きな「売り」だが、
それはタイパと対極にある、諸刃の剣。

前作エンダーリリーズ同様に死にゲーだったなら、
私は途中でゲームを放棄したかもしれない。

この意見を述べたメインプログラマーの意見が素晴らしく、SNS上でもすごい反響。この判断が結果的に『エンダーマグノリア』の満足度に大きく貢献したのことはいうまでもない。

どんなに素晴らしいゲームだろうと、
ユーザーの時間を奪っていることに
センシティブにならなければいけない 

タイパを尊重するゲームは、
それすなわち、ユーザーの限られた時間を尊重しているゲームだ。

タイパを尊重するゲームの未来

今後、ますます多様化する娯楽コンテンツの中で、ゲーム産業が市場成長を維持するためには、タイパを重視したゲーム設計が鍵を握るだろう。

子供時代のように、時間を気にせずゲームに没頭できる環境は大人になった今ではとても貴重だ。

そのような体験を提供できるゲームの形を模索することが、業界全体の発展に繋がるのではないだろうか。


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横田 裕市 / 写真家
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